Q.甲が乙に金100万円を貸し付けていたところ、乙がその借入金債務の返済に窮するようになっため、丙が乙に代わって債務を引き受け、乙がその借入金債務を免れるとする場合、どのような契約を締結する必要がありますか？
A.本件のように債務者の負担する債務を引受人が肩代わりする契約のことを一般的に免責的債務引受契約と呼び、債務者は、自己が負っていた債務を免れることになります。
引受人は、免責的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができ、また、債務者が債権者に対して取消権又は解除権を有するときは、引受人は、免責的債務引受がなければこれらの権利の行使によって債務者がその債務を免れることができた限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができます。
免責的債務引受契約を行うときは、次のいずれかの方法で行うことになります。
(1)債権者、債務者及び引受人間で三者間契約を行う方法
⇒契約が成立した時点で効力が生じます。
(2)債務者及び引受人間で二者間契約を行い、これを債権者が引受人に対して承諾する方法
⇒債権者の引受人に対する承諾があった時点で効力が生じます。
(3)債権者及び引受人間で二者間契約を行い、債権者がこれを債務者に通知する方法
⇒債権者の債務者に対する通知があった時点で効力が生じます。
